早期発見で「いつも通りの毎日」を長く守る心臓検診
心臓の病気は、ワンちゃん・ネコちゃんにとって決して珍しいものではありません。特にシニア期に入るとリスクが高まりますが、心臓病はかなり進行するまで目立った症状が現れない「隠れた病気」でもあります。
当院の循環器診療では、苦しくなってから治療を始めるのではなく、「心臓のわずかな変化をいち早く捉える」ための心臓専門検診(ハートチェック)を大切にしています。
当院の心臓検診の3つの特徴
1. 身体への負担に配慮した精密検査
心臓の検査は、痛みや苦痛を伴わないものが中心です。
- 超音波(エコー)検査: 心臓の動きや筋肉の厚み、血液の流れをリアルタイムで確認します。
- 胸部レントゲン検査: 心臓の全体的な大きさや形、肺の状態をチェックします。
- 心電図検査: 不整脈がないか、心臓の電気信号を測定します。
2. 「症状が出る前」の早期警戒
心臓病は、咳が出たり疲れやすくなったりする「前」の段階で見つけることが非常に重要です。検診によって早期に心臓の負担を把握することで、食事療法や生活環境の改善、必要最小限のお薬によるコントロールを適切なタイミングで開始できます。
3. 犬種・猫種別のリスク管理
「小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症」や「猫に多い肥大型心筋症」など、品種によって注意すべき病気が異なります。当院ではそれぞれの品種が持つリスクを考慮し、将来を見据えた継続的なサポートを行います。
こんな様子、気になりませんか?
心臓のサインは、日常生活の中に隠れています。一つでも当てはまる場合は、心臓検診をおすすめします。
- 寝ている時間が長くなった、散歩で休みたがる
- 興奮した時や寝起きに「カッカッ」と喉に物が詰まったような咳をする
- 以前に比べて、呼吸が速くなった気がする
- 以前は飛び乗っていた段差を嫌がるようになった
- 健康診断で「心雑音がある」と言われたことがある
心臓検診の流れ
1. 丁寧な問診と聴診
ご自宅での活動量や呼吸の状態を詳しく伺います。その後、聴診器を用いて心臓の音(心音)を確認し、雑音の有無やリズムの乱れを慎重にチェックします。
2. 画像診断(レントゲン・エコー)
レントゲンで心臓のシルエットと肺の様子を確認し、エコー検査で心臓内部の構造や弁の動き、血液の逆流がないかを詳しく調べます。痛みのない検査ですので、多くのワンちゃん・ネコちゃんがリラックスして受けられます。
3. 総合的な心機能評価
各検査結果を統合し、現在の心臓がどの程度のステージ(健康レベル)にあるかを診断します。単なる病名の診断だけでなく、「今、どのくらい心臓に負担がかかっているか」を分かりやすくお伝えします。
4. 未来のためのライフプランニング
心機能に合わせた最適な生活スタイルを提案します。運動の強度の調整、塩分に配慮した食事、お家でチェックしていただきたい「安静時の呼吸数」の測定方法など、飼い主様と一緒にこれからの生活を考えます。
飼い主様へ
心臓病は完治させることが難しい病気ですが、早く見つけて適切に管理を始めれば、病気の進行を遅らせ、苦しい症状を出さずに長生きさせてあげることが十分に可能です。
私たちの役目は、心臓の「SOS」を家族である皆様よりも一足早く受け止めること。 7歳を超えたら、あるいは特定の犬種・猫種であれば若いうちから、一度「心臓の定期健診」を受けてみてください。
